研究医養成コース修了式を実施しました
2025年3月10日(月)に「中国体彩票app官方下载 研究医養成コース修了式」を挙行し、以下の5名の学生が修了証書を授与されました。
? 医学部医学科 第6学年 片岡 瞳 (社会医学講座(法医学部門))
? 医学部医学科 第5学年 林 朋樹 (解剖学講座(神経形態学部門))
? 医学部医学科 第5学年 吉澤 琢磨 (生理学講座(統合臓器生理学部門))
? 医学部医学科 第4学年 寒出 祐紀恵 (解剖学講座(神経形態学部門))
? 医学部医学科 第4学年 成本 彩乃 (解剖学講座(神経形態学部門))
【研究医養成コースとは?】
本学は2011年度から研究医枠での入学定員の増員を申請、2012年度には文部科学省GP「基礎?臨床を両輪とした医学教育改革によるグローバルな医師養成」のモデル事業へも積極的に応募し、いずれも選定されました。GP期間終了後は、大学独自の取組「研究医養成コース」として「入門研究医コース」?「登録研究医コース」を通じて科学的探究心の涵養を特に重視した教育を行ってきました。
研究医養成コースでは、2021年度に学部教育部門研究医養成検討専門委員会の下、【医学?医療の発展のための医学研究の必要性を十分に理解し、批判的思考も身につけながら、学術?研究活動に関与する】ことを目的としてアウトカムを設定し、また、学部在学中に一定の要件を満たすことでアウトカムを達成したことを認定するため、「研究医養成コース」の修了証を交付することとして大幅な教育課程の改訂を行いました。
今年度は、5名の学生が本コースにおいて医学に関する学術?研究活動に従事する能力を身につけたことを認められました。
◆研究医養成コースの概要はHPから!
/education-and-support/education/research-doctor-course
【修了生の声 ?片岡 瞳】
私は大学1年次より基礎医学研究入門として法医学研究室で活動を始め、3年次より研究医養成コースに進みました。学生のうちから医学研究に携わり、日々の勉学では得られない新たな経験を積みたいと思ったことが研究室に入った主な理由でした。「なぜ法医学?某ドラマの影響?」と友人から毎度同じ質問を受けていましたが、実は、私は法医学をよく知りませんでした(笑)。 ただ、社会と医学が絡み合う分野であれば1年次から何かできることがあるかもしれないと思い、本研究室所属を決意しました。日々の研究活動では、自動車運転中の運転者の体調変化による突然死の剖検例について、過去の解剖記録をもとに統計学的分析を行い、教授の手厚いご指導をいただきながら論文執筆及び学会発表を行いました。交通事故の原因分析だけでなく、日々の診療の中での、医師による患者及び家族への適切な指導や働きかけが事故防止において非常に重要であることを実感し、将来医師となる自身にとっても大変大きな教訓となりました。
研究と言うとお堅い、真面目そうな印象を抱かれることが多いですが、私は研究を通じて想像以上に幅広く多くの経験をさせていただきました。例えば、医学以外の様々な分野の学会に参加することで医師や他職種の方々の多様な働き方を学び、また、夏頃には国際交流協定締結大学であるマレーシア国民大学の医学生と交流する機会をいただき現在もSNSを通じた交流を続けています。もちろん、日々の研究活動の中では困難に直面する場面もありますが、それ以上に何にも変え難い人生経験ができたことは自身にとって大きな財産となりました。これまでの研究活動で培った経験を糧に、今後の研修医生活、さらにはその先の医師人生に繋げていけたらと考えています。後輩の皆さんの中には、かつての私のように、研究に興味を持っている方がいると思います。「やらずに後悔するより挑戦してから後悔した方がいい」というのが私のちょっとしたポリシーです。迷っているそこのあなた、気になっている研究室に一度話を聞きにいってみてはいかがでしょうか?そして、現在、研究活動されている後輩の皆さんの益々のご活躍を心より願っております。
【修了生の声 ②林 朋樹】
私が研究医養成コースに登録したきっかけは、基礎医学研究入門の講座を通じて研究活動に興味を持ったことでした。2年生時に解剖学講座?神経系形態学部門の研究室に所属したところから、私の研究活動が始まりました。
研究を始めた当初は、実験技術の未熟さや専門知識の不足に直面し、不安を感じることが多々ありました。しかし、指導してくださる先生方や先輩方のサポートを受けながら、少しずつ実験の手順を習得し、データの解析方法を学ぶことができました。研究を進めるうちに、仮説を検証する過程の面白さを実感するようになり、実験にも次第に自信を持って取り組めるようになりました。やがて、マウスを用いた脳発生に関与する遺伝子の機能解析という研究テーマを任せていただきました。
研究室での経験を積む中で、第129回日本解剖学会総会?全国学術集会、第57回日本発生生物学会大会の2度にわたりポスター発表の機会をいただきました。発表の準備を通じて、自分の研究を論理的に整理し、他者にわかりやすく伝える能力を鍛えることができました。また、学会では他の発表者と意見を交わすことで新たな視点を得ることができ、研究の奥深さを改めて実感しました。さらに、学内での研究発表の機会も多くあり、特に2年生時に参加した第38回中国体彩票app官方下载シンポジウムではFreshers賞を受賞し、研究への取り組みが評価されたことに大きな喜びを感じました。
研究活動を通じて得られた経験は、私の将来の進路を大きく変えるものとなりました。研究に携わる中で、人体の正常機能や疾患の原因を解明することの重要性を強く感じ、研究医としての道を志すようになりました。臨床と研究の両面から医学に貢献することを目標に、今後も学び続けていきたいと考えています。
これから研究を始める後輩の皆さんには、最初はうまくいかないことが多くても、粘り強く取り組むことの大切さを伝えたいです。研究は困難なことも多いですが、その分、成果が出たときの喜びや達成感は大きなものです。積極的に学び、挑戦し続けることで、研究の面白さを実感できるはずです。研究に興味のある後輩の皆さんが、研究医養成コースを通じて将来の選択肢を広げる貴重な経験を得ることを願っています。
【修了生の声 ?吉澤 琢磨】
研究医養成コースに登録したきっかけは、学士編入で入学する以前の大学での研究活動に未練があったことや、学士編入の勉強をする時に研究に関する知識、経験が乏しかったことを実感し、経験してみたく登録させていただきました。
今回のコースでは、学内の技術セミナーやシンポジウムに加え、学会やリトリート2025に参加させていただきました。学外の発表の場に参加することはとても緊張しましたが、他の大学の医学生の活動の様子を聞くことはとても刺激になりました。
学部生の活動ではありますが、自分の扱っている蛋白質を海外の研究チームが注目して論文として取り上げていたり、自分の行っている実験手法(DNAのコンストラクションや細胞の培養、蛋白の評価方法等)が他の研究室でもなされていたりと、プロの研究でもされていることをしているのだと感銘を受けました。
実験はうまくいくことばかりではなく失敗の結果、先週と同じところから、時には半年前のところからやり直しということもあり、人生に似たものを感じました。結果に一喜一憂しすぎないことや、実験時に神経質になりすぎずにしていくことが大事であり、メンタル管理を学びました。
また、コミュニケーションの大切さも学ばせて頂きました。所属先の研究室にはマレーシア人をはじめとした海外から来られている方がおり、日常会話から実験に関するディスカッションでの英会話に加え、異文化の方の価値観に触れることができ、良い経験となりました。日本人を含む多様な価値観が混在する中で円滑に活動を進めるために報告のタイミング、頻度、話し方など、コミュニケーションの大切さを改めて実感しました。
一旦は国家試験に備えて勉強をしますが、また今回のコースで習得した研究分野の応用となる研究活動をして、実験結果をまとめる機会があればとも思います。
これから研究活動を始めようか迷われている方も是非チャレンジしていただけたらと思います。部活感覚でも、趣味でも良いと思います。ネイティブの方と英会話も出来、経験豊富な先生方の研究指導が受けられるなんて、貴重な機会だと思いませんか。
最後に、このような貴重な機会をいただけたことに関し、関係者の方々へ感謝申し上げます。
【修了生の声 ④寒出 祐紀恵】
はじめに研究医養成コース修了認定をいただきありがとうございます。充実した研究生活を送ることができたのは、日々熱心に指導してくださった研究室の先生方、そして切磋琢磨し合えたメンバーのおかげです。この場を借りて、心より感謝申し上げます。
私は高校生の頃から研究に興味を持ち、大学1年生で研究医養成コースに登録しました。研究室に入った当初は、生物の知識がほとんどない状態でした。しかし、先生方のご指導に加え自分でもわからないことを調べることで次第にできることが増えていきました。今では毎日研究室に通うほど研究が面白いと思えるようになりました。ここでは、研究活動の中で特に印象に残った2つの出来事について述べさせていただきます。
まず1つ目は、研究留学です。私は3年生の夏に、ジャクソン研究所留学プログラムの第1期生として、アメリカ?メイン州にあるジャクソン研究所に2ヶ月間留学しました。そこでは、再生医療に関する最先端の研究に参加し、臨床に直結する研究の重要性を実感しました。将来、Physician Scientistを目指す私にとって、基礎研究が臨床へとつながることを自身の経験を通じて理解できたことは、大変貴重な学びとなりました。また、積極的に意見を述べることの重要性(受け身では得られるものが少ないこと)や、研究所内の共同研究を通して研究を円滑に進めることの大切さも学びました。2つ目は、学会発表です。発表を通じて、多くの方々と議論し、研究に対する新たな視点、研究課題を得ることができました。特に、これまでの発表では質疑応答に対して一問一答のように準備していましたが、それだけでは不十分であることを実感できたのは自分の中で大きな出来事でした。先生からも「発表と質疑応答は発表者と聞き手のイメージをすり合わせである」と教えていただきましたが、普段の実験から論理的に考え、研究の全体像を的確にイメージしておくことの重要性を学びました。
今後は臨床の現場に出ても、基礎研究を活用して臨床の課題解決に貢献し、それを再び臨床の場に還元できるような医師を目指し、研究を続けていきたいと考えています。
【修了生の声 ⑤成本 彩乃】
私は1年生で開講されている基礎医学研究入門1という講義を通して、興味を持った研究室に配属していただき研究に参加しました。もともと基礎医学研究には興味があったので、選択できる講義として基礎医学研究に触れられる機会が用意されていたこと、さらに研究医養成コースという制度があったことは、基礎医学研究を学びたい私にとって背中を押してくれるものでした。
研究室では、研究に必要な実験に関する知識や方法に関して先生方が丁寧に教えてくださいました。日々実験をしていくなかで、うまくいったこともあれば失敗することもあり、失敗したときは落ち込むこともありましたが、どうすれば失敗を防ぐことができるかなどの試行錯誤を繰り返すうちにあきらめずに取り組むという姿勢を学ぶことができました。さらに、学会発表の機会を数多くいただき、そのたびに発表資料の作成方法やプレゼンテーションのスキルについてもご指導いただきました。今までの自分なら踏み出せなかったであろう、大勢の人の前での発表などの貴重な経験は自分の成長につながりました。現在は今までの研究成果をまとめた論文を投稿中です。
学生生活も残すところあと2年ほどとなりましたが、今後も研究に参加し学びを深めていきたいと考えています。





