日程
2023.12.26

「厚生労働省指定難病:家族性高コレステロール血症のサル動物モデル作製に世界で初めて成功」に関する記者説明会を開催しました

令和5年12月26日(火)、本学生化学?分子生物学講座(分子病態生化学部門)扇田 久和教授および佐藤 朗准教授から、報道機関等に対し、「厚生労働省指定難病:家族性高コレステロール血症のサル動物モデル作製に世界で初めて成功」に関する記者説明会を滋賀県庁にて開催しました。

説明会へは、多数の報道機関の皆さまにご参加いただきました。

本件の詳細(プレスリリース):/sites/default/files/2023-12/20231218_pr.pdf

POINT

  • 2020年ノーベル化学賞を受賞した技術である「CRISPR/Cas9ゲノム編集技術」を活用して、LDL受容体の発現を欠乏させたカニクイザル=家族性高コレステロール血症のサル動物モデルの作製に成功いたしました。(特許出願中)
  • 作出したサルはLDL受容体の発現が完全に消失しており、血中総コレステロール値は平均600?800 mg/dLと、正常の100?150 mg/dLと比較して非常に高くなっていました。
  • 作出したサルの血中ではLDLの割合が大きく増加し、善玉コレステロールと言われるHDLが減少しており、FHホモ接合体と類似の血中コレステロールの状況となっていました。
  • これまではウサギやマウスなどの動物モデルが作製されていましたが、脂質(コレステロール)代謝経路がヒトとは異なるため、ヒトと同じ霊長類であるサル動物モデルの作製は、治療法の開発に大きく役立つことが期待されます。
  • 利用候補薬の有効性、生体安全性の評価にサル動物モデルを利用することにより、FHに対する治療開発のみならず、日本だけでも約1,500万人もいると推定されている生活習慣病としての脂質異常症に対する治療にも応用できると考えられます。
記者説明会の様子1
記者説明会の様子1
記者説明会の様子2
記者説明会の様子2