学生の抱える悩みや課題は複雑化しており、学生が学修や学生生活における悩みを相談できる体制を整備して取り組むことが大学として求められています。
本学では、クラス担任?学年担当制度、各種アドバイザー制度、オフィスアワー制度、何でも相談室、臨床心理士によるカウンセリングルーム、保健管理センターによる健康相談、ハラスメント相談、男女共同参画推進室の相談制度などの制度を整備し、教職員が面談などを通じて対応を行っていただいています。
また、授業においても学生から相談を受ける機会があるかとおもいます。
学生が安心して相談できる環境を作るため、相談を受ける教職員側の姿勢や態度、また、守秘の厳守等に関する内容を示した「学生相談(カウンセリング含む)対応の基本」を策定しておりますので、学生相談に関わる機会のある教職員の方は、本基本に則ったご対応をお願いいたします。
中国体彩票app官方下载 学生相談(カウンセリング含む)対応の基本
令和6年4月1日 施行
(1)カウンセリングマインドについて
カウンセリングマインドは、コミュニケーションにおいて、相手の立場に立って理解しようとする態度のことをいいます。
学生が相談にくるのは、授業終了後だったり、事務室のカウンターだったり、個人研究室だったりしますが、どのようなタイミング、場所であったとしても、カウンセリングマインドをもって受容的、共感的に接することが対応の基本です。
但し、いついかなるときでも無条件で学生の話を聴いてくださいというわけではありません。事情がある場合は、「今日は予定があり時間が取れないので、いつだったらいいですよ」というように伝えてください。すぐに話を聴くのが難しい理由を説明し、代替案を提示することは、学生の安心に繋がります。
受容的?共感的に接するということは、相談を受ける上で最も大切な要件です。以下の点に注意してください。
〇 対等な立場として認識する
教職員と学生は、教える立場と教わる立場、年齢の上下などの違いはありますが、人として対等です。このことをまず念頭に置いてください。
〇 話しやすい環境を作る
自分が困りごとを話すときにはどういう環境を求めるでしょう? ざわついた場所、出入りが多いところではないですよね。自分は立っているのに相手は座っているとしたら? 腕組み足組みをしている人や、視線、体の向きを合わせない人に、気持ちよく話すことができるでしょうか? 学生が安心して話ができ、自分も落ち着いて聴くことのできる環境を作りましょう。
〇 きちんと話を聴く
学生たちは様々な質問、訴えなどを投げかけてきます。なかには思っていることを伝えることが苦手で、学生同士では話せても、大人にはきちんと話せない人もいます。何を言っているのかよくわからなくて、聴き手としてイライラすることもあるでしょう。だからこそ、気持ちを落ち着けた状態でじっくり話を聴くように準備を整えてください。
〇 学生の立場を理解する
話を聴くときに自分の立場から考えるのでなく、学生の立場に立って考え、その気持ちを推し量ることが大切です。学生たちは今の状態を「わかってほしい」「受け止めてほしい」と感じています。自分と異なる意見であっても否定せず、まずは受けとめましょう。その上で自分の感じたことを伝え、それぞれの違いを認め合うことが大切です。
〇 傷つけない
最近の学生の特徴のひとつに傷つきやすさがあります。何気なく発した言葉が彼らを傷つけてしまうことがありますから、神経質になる必要はないとしても言葉遣いには注意してください。性自認の多様性への配慮から、見た目で判断せずに“さん”づけで話すこともよいと思います。
一方的な激励やアドバイス、または叱責は禁物です。そのような対応を受けた相談者は、受け止めてもらえていない、尊重されていないと感じる場合があります。
〇 情報を正確に伝える
学生が情報を求めているときには、速やかに正確な情報を伝えることが大切です。不確かな情報の提供は、学生に不信感や混乱をもたらしますので、正しい情報を入手するように努めるか、正しい情報の得られる場所を紹介してください。
〇 自分の間違いに気づいたら謝る
人は誰でも失敗をします。些細なことであっても間違いに気づいたらすぐに謝りましょう。さもないとせっかく築いた信頼関係が壊れ、学生に不信感を植えつけることにもなりかねません。
(2)守秘義務について
〇 個人情報の取扱い
学生から聴いた相談内容や個人情報は、安易に他人に話したり、利用したりしないようにお願いします。あなたへの信頼が失われるばかりか、所属する部局、大学への不信にも繋がります。性自認や性的指向に関することなど、極めて機微な個人情報を漏らした場合には、漏らされた側の人格や尊厳が侵され、生死にかかわるようなことにもなりかねませんので特に注意してください。
〇 情報共有の範囲
原則、学生本人が了解しない限り、他者(父母や指導教員なども含む)に個人情報を伝えないでください。
学生が学修上の問題を抱えたり、疾患?障害を抱えたりしているため、適切な援助者に繋げることが必要なときは、「誰に」「何を」「どのように」伝えるかを明確に説明し、学生本人の了解を得てください。
但し、相談員が、学修?学生生活の支援に係る学内の委員会において、個人が特定できない形で報告する場合は、学生本人の了解は不要とします。
〇 守秘義務の解除
自傷他害など生命、財産に関わる場合や、大学の危機管理上、重大な問題が生じると想定される場合は、守秘義務の解除事由となりえます。
以上、学生相談においては、学生の人格を認め、正面から受けとめ、きちんと向かい合い、お互いに気持ちの良い関係性を保つよう心掛けてください。
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